研究者モード
えと、久しぶりにこの週末は研究者モードに完全変換して生活してみました。
それと主要言語が英語。
まぁ、今では言語学に限っては英語で喋る方が楽だし、そもそもここんとこずっと英語の学会でしか喋っていないので、英語で喋ること自体、別になんてことないって感じになっちゃいました。ま、場数踏んだし、いろいろ失敗も、それを乗り越えるプロセスも経たからこその心境だと思います。
学会会場では旧知の方々と再会って感じでした。数年ぶりに会うと変わる人もいれば、変わらない人もいる。私もそのうち「老けたな」と思われるのかもしれませんが。
会場までは家から電車で30分弱、徒歩で20分といったところなのだけれど、ここもなんだか「懐かしい」場所。いろいろと思い出すこともあるものです。(せんとくんがあちこちにあるのだけれど、なんだか気味が悪い)
研究モードに切り替わったものの、正直、脳が汗をかくというか、痺れるような体験は基本的にはありませんでした。まぁ、世の中そんなものなのかもしれない。やはりいかにも競争率の激しそうな学会に参加しないといけない。
だんだん、若くて活気のある人たちと一緒に過ごしている方が充実しているのではないか?という気がしないでもないですが( ̄▽ ̄;)
日本の学会に参加するのはかれこれ4年ぶりとかいうことになるのだけれど、やはり地域性というか、同じフレームワークで同じ問題意識を持っていても分析の方向性が随分と違うのだなと思うことは多い。
日本の理論言語学、特に生成系は北米の東海岸の理論に影響されることが非常に多くて、特に最近はユーコン、メリーランド、ハーヴァードが御三家といった感じになっています。
この辺にいる人たちは、今こそ自分たちが最先端の理論を作っているのだという自負があるみたいだし、日本でもこの近辺の研究者を目標に追いつけ・追い越せといった意識を持っているような感じです。
この辺の人たちの最近の議論は、もう経験的データなんか基本的にあまり問題にならなくて、概念的な問題にのみ随分と焦点を当てているようです。
ただ、一方で、よりミニマルというか、極小的、経済的な理論を作って行こうというスローガンを持っているわりには、けっこういろいろと新しいメカを登場させているなぁという印象が拭えないのと、過去の理論と比べて何がどう優れているのかイマイチよく見えない印象があります。
過去のメカを今に移し替えているだけというか。
まぁ、それにより経験的データのカバレージが広くなるとか、メカがシンプルになるとか、メカをある種の原理から引き出して来るとか、そういう「いいこと」があるといいのだけれど、特に現時点ではそういうことはないようにも思える。
ヨーロッパでは、特にデイヴィッド・アジャーやイアン・ロバーツなんかは概念的な理論を作っていくタイプの人間なのだけれど、一応、議論の基になるデータはかなり経験に依っているというか、やはり「データありき」の立場は崩していない感じです。
北米の人たちから見ると、ヨーロッパは保守的って印象みたいなのだけれど、でも、言語学が経験科学である以上は経験的データから隔離するべきでないように思えるし、着実なデータに基づいた一般化や理論はそれ自体が被説明項として長く生き残り、人の注意・関心を引き寄せるきっかけにもなる。それにその種のデータは言語の生の部分をより反映したものでもあり、特に他言語話者からの関心のきっかけにもなり、それ自体が興味深い観察でもありうる。
「イギリスって今でも経験主義っぽいところから脱却できてないよねー」と言う人もいたのだけれど、自分が突出した頭脳の持ち主でもない限りは、経験科学的手法に則り、地道に現象観察を続けるタイプの研究は「あり」だと思う。もちろん、そこからブレークスルーに至る可能性のある理論形成をしてやるという野望自体は忘れてはならないのだけれど。
一攫千金を狙って、只管、概念的理論だけを扱うのもいいのだけれど、その大半は徒労に終わっているという現実もあるし、それにその種の概念的理論は本当にセンスのある少数の人たち以外にはなかなかうまく扱う事はできないのではないか、という疑念もあります。
まぁ、最終的には出て来た仕事の質が全てだと思うのだけれど。
自己満足ができ、他人も納得させられる理論を作るのは難しいですね。学問ってのは、どうしても独りよがり、学派よがりになってしまいがちだし。
ところで、今日は帰り道で立ち寄った銀行のATMで、困り果てていたフランス人のカップルの観光客の手助けをしてみました。
クレジットカードでお金を引き出すのと、絵葉書をフランスに出す作業が必要だったみたいなのだけれど、確かにややこしいのかもしれない。
日本の銀行ではクレジットカードでお金は引き出せないし(ヨーロッパではできる)。
事情を説明して、隣りのコンビニに案内し、ATMを操作する。
一応、英語案内はあるのだけれど、日本の英語案内の基本ってアメリカ英語ですよね。
ヨーロッパの英語はやはりイギリス英語が基本になっているので、意外にややこしいんですよね。日常的なボキャブラリーからしていろいろと違うことも多いので、イギリス英語の初学者にはアメリカ英語が分からないことも多い。(逆も然りだと思うけど)
このカップル(老夫婦だった)は少々の英語が話せたので、多少は英語で話して、それと私の必殺片言フランス語でなんとか事情をいろいろと説明しました。
まぁ、基本、うまくいったし、それにとても喜んでくれたのでよかったです。やっぱり旅先では楽しんでいってもらいたいし、私も世界各国でいろいろと親切な人たちにはお世話になったことがあるし。
人が暖かいと楽しい気分になれるし、また来たいとも思えるようになる。
私は自分では愛国心たっぷりの日本人だと思っているので、やはり他の国の人たちにもいい印象を持ってもらいたいですね。押し付けがましいのは嫌なのだけれど。
まぁ、そんなこんなでちょっと非日常的な週末でした。明日からはまた仕事ですな。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)





最近のコメント